大量の英単語が書き記された謎のメモ
海外営業への異動が決まった時、1番の不安は英語。
もちろん、今までの仕事で全く英語を使ったことがないわけではありません。海外からのゲストが来たり、わずかながら英語でメールを(四苦八苦しながら)返したり。しかしガッツリ海外の人との会議に入り、しかも英語でやり取りをするなんて経験はゼロに等しい状態でした。
そして初の会議は社内会議でした。しかもコロナ禍で出張できないのでオンライン。パソコンの前で「Join」ボタンを押すのが憂鬱で仕方ありませんでした。一方で、
まあでもTOEIC700点は持っているから少しは立ち回れるだろう
という自分を奮い立たせるための謎の感情も湧き上がったり。
しかし残念ながらその淡い期待は数時間後には打ち砕かれるのでした。
話していることが全く聞こえない、理解できないというわけではない。ただ「相手の言っていることはつまりこうだよな」という確信が持てないのです。「もし勘違いしていたら恥ずかしいな」という気持ちが先に立ってしまい発言する勇気が持てませんでした。
結局、聴こえてくる単語単語から言っていることを推測しているだけなので、確信が持てないのも当然です。結果、聞こえた単語だけが書き記された謎のメモが出来上がっていました。
大縄跳びが高速回転!?
英語の会議で難しいのは、話されていることが理解できないこともそうですが、日本語で行われる会議と比べてスピード感がかなり速いと感じます。私の部署ではシンガポール人やインド人など複数の国の方々が参加します。
シンガポール人の中でも、話すスピードも発音も違います。また、インド人は独特の発音で超高速で話します。しかも話し出すと延々と話すので頭の整理が追いつきません。
今振り返ると、異動から間もない頃の会議は高速で回る大縄跳びのようでした。入りタイミングを探しているうちに、どんどん時間だけが過ぎていく。一方、「冒頭のHello以外、今日はまだ一言も発せていない。何か発言しなければ」という爪痕を残したい芸人のような焦りの感情が積み上がっていきました。
TOEICと仕事の英語は全く違った
日本でTOEIC700点以上、と言うと「あ、そこそこ英語できるんですね。」って一般の感覚ではなると思います。私もTOEIC400点時代には、700点まで上がれば違う世界が見えているなんて勝手に思っていました。
私の場合、700点では会議に全くついて行けませんでした。結局、異動後の初会議では日本人の先輩から大量にフォローしていただきながら終わりました。伴走してもらったと言うより、おんぶしてゴールまで運んでいただいた、と言う感じです。
まず、TOEICと違って会議は流れ続けます。問題ごとに英語が止まってくれることもなく、選択肢から話していることに合致する正解を選ぶ作業ではありません。聞いて自分の頭で理解して、その上で発言しなければいけません。
また仕事には特定の業界用語が飛び交います。また、RFQやMOQといった3文字略語も出てきます。(RFQもMOQも別に専門的ではなく一般に使いますが、ここではあくまで例として)
それらの背景知識も異動後にはなかったので、余計に何が話されているのか分からない状態に陥ってしまったのだと思います。
英語を磨くしかなかった
その後も会議が終わるたびに、自分の力不足を痛感していました。もちろん落ち込むこともありました。というか、毎日落ち込んでいました。
しかし、海外営業として働く以上、英語から逃げることはできません。異動前までは、「英語はいつかできるようになったらいいな」くらいに考えていました。しかし、この頃には「仕事をするためになくてはならないもの」に変わっていました。
結局、状況を変えるためには英語を磨くしかありませんでした。周りについていけない劣等感から、私は英語学習との向き合い方を大きく変えることになります。
オンライン英会話を毎日続け、TOEICの勉強もやり直し、英語が生活の一部になっていきました。もちろんすぐに話せるようになったわけではありません。それでも、この時「逃げずに続けよう」と決めたことが、その後の海外駐在や今の仕事につながっていると思っています。
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